台風19号被害により吉田川が決壊。浸水や稲わらの流入などによる被害で、多くの方が被災。平成28年に台東区社協と大崎市社協は災害時相互応援協定を締結していたこともあり、協定締結後初めて、大崎市社協へ職員を派遣することとなった。
第1クールの支援地域の様子は、派遣初日の2日前に浸水により地域に残っていた水がようやく引いた状態であった。派遣職員2名は本部から車で30分程度の活動現場にある拠点で、本部に入ってきたニーズやボランティアを現地でコーディネートを行う「現地オペレーション」として、大崎市社協の職員とともに従事した。現地の拠点では活動のコーディネートのほかにも、オリエンテーション、活動先への案内、休憩場所の確保や送迎などを担当した。
個人のボランティアはもちろん、仙台などの近隣地域のグループや高校の生徒会、部活動の部員の参加があり、主に家屋に流出した稲わらや泥の除去、家財の運び出しなどの活動が多かった。
職員やボランティアも活動先である家屋の住人や地域のことを思い活動している様子が伺えた。活動拠点となる集会所もボランティアにより利用できるようになった。
この日は近隣高校のラグビー部が40名近く参加した。
第2クール派遣時、世帯ごとのニーズは引き続き個人・団体ボランティアを入れつつ支援を継続していたが、収束に目途がつきつつある段階。
しかしながら、被災地域の住民全体が被災しており、個々の世帯の片付け・復旧の真っ最中で、地域活動の拠点や地域住民の憩いの場である集落センターは被災後3週間、片付け・清掃の手が入っていない状況であった。
災害復旧後も、被災前と同様の地域活動の拠点として期待される集落センターの片付け、清掃をボランティアの力を得て行うこととなった。私たち台東区社協から派遣された職員2名は、活動の進行状況や次の活動内容を確認し、資機材の手配をしたり、休憩の案内をするなど活動がスムーズに進むよう、ボランティア活動支援を行った。
集会所の床も壁もパイプいすなどの機材も泥まみれだったが、ボランティアの懸命な作業により、見違えるほどきれいになり住民にお戻しすることができた。
志田谷地地区の拠点となる集会センターも手付かずのまま3週間が経過していた。
ボランティアの手によって集会センターの清掃がみるみるうちに進んでいく。
「水の力は恐ろしい」
大崎市災害ボランティアセンターに派遣され、被災状況を目の当たりにした時に、まず感じたことです。建物の壁が水の力によって壊され、大小様々なものが流れ、散乱し、自分の目線よりも高い場所まで浸水したことを見せつけられ、自分に何ができるのかを考えさせられました。
けれど、災害ボランティアセンターで、災害に真摯に向き合う被災者の方々や、元気なボランティアの方々、その方たちの間に立ち、明るさを失わずに支援を続ける大崎市社協のみなさんの様子にこちらが励まされ、勇気づけられました。被災者の方の家や地域の拠点が片付くたびに、こわばっていた顔が緩んでいく様子や、ボランティアさんの「災害前よりきれいにしてあげたいね」という優しい気持ちに触れるにつけ、災害ボランティアセンターの役割が被災地にとってどれほど重要な存在であるかに気づかされました。
災害ボランティアセンターの活動が終わっても被災者の生活は続いていきます。災害ボランティアセンターは被災者の方々のその後の生活に目を向けながら、支援をしていくことが大切だということを改めて感じ、伝えていきたいと思いました。
大崎市社協では、10月15日に設置・開設された災害ボランティアセンターは地域のみなさんからの要請ニーズ等の収束を迎えたこと等から12月1日をもって閉所することとなりました。
大崎市社協の取り組みについては下記にて情報発信されております。